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記録的猛暑、学校は子供の命守る配慮を


 今年の夏は記録的な猛暑が続いている。

 18日は岐阜県多治見市で40・7度、同県美濃市で40・6度を観測した。国内で最高気温が40度を超えたのは約5年ぶりだ。この日以外も全国的に非常に厳しい暑さに見舞われている。

熱中症で小1男児が死亡

 愛知県豊田市の小学校では、校外学習先から戻った1年生の男児が熱中症で死亡した。この日は、最高気温35度以上が予想される「高温注意情報」が気象台から出ていた。校外学習を中止しなかったことについて、校長は「判断が甘かった」と述べたが、熱中症に対する認識不足だと批判されても仕方がないだろう。

 このほかにも、学校行事などの際に児童や生徒が熱中症で救急搬送される事例が相次いでいる。思春期前の子供は汗を作る汗腺が発達しておらず、体温調節能力が十分ではない。学校側には十分な配慮が求められる。

 スポーツ庁は都道府県の教育委員会などに対し、学校での部活動中の熱中症に注意を呼び掛ける通知を出した。具体的には、高温注意情報が発表された地域や時間帯では屋外での活動を原則として行わない方針を、部活動に関する都道府県などのガイドラインに明記するよう求めるものだ。学校側は、こうした措置を徹底しなければならない。

 自民党の学校耐震化・施設整備等促進議連は、全国の学校でエアコンの設置を急ぐよう安倍晋三首相に要望した。首相は「子供たちの命と安全を守るのは私の責務だ」と述べ、補正予算編成も視野に財政措置を検討する考えを示した。早急に実現してほしい。

 もちろん、子供だけでなく大人も注意する必要がある。中でも高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくくなっているので熱中症にかかりやすい。

 総務省消防庁のまとめでは、9~15日の熱中症による救急搬送は全国で9956人。このうち12人が亡くなった。だが死者数は、搬送直後に死亡と診断された場合のみ計上される。治療後の死亡や、救急隊が出動した現場で死亡確認された人は含まれず、実数はもっと多いとみられている。

 16~22日の期間は搬送数や死者数がさらに増える恐れがある。気温が1度高くなると死者数は1・5倍になるとの専門家の指摘もある。

 地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象の影響で、近年は異常な暑さに見舞われるようになった。猛暑が命を奪うこともあるということを改めて肝に銘じる必要がある。

 熱中症の予防には、水分・塩分をこまめに補い、外出の際には涼しい服装をして日傘や帽子を使用することを心掛けたい。屋内では冷房などで温度を調節することが求められる。節電よりも、快適な室温を保つことを優先してほしい。

避難所の環境整備徹底を

 西日本豪雨の被災地では、現在も4000人以上が避難所生活を余儀なくされている。

 猛暑はこれからも続く。ストレスがたまっている被災者が熱中症で倒れることのないよう、国や自治体は空調をはじめ避難所の環境整備を徹底すべきだ。