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“病気”と認められたゲーム依存


 先週、世界保健機関(WHO)が、ゲーム依存(ゲーム障害)を病気に認定すると発表した。麻薬やギャンブルへの依存と同じで、病気の世界的な統一基準となる「ICD」改訂版に盛り込まれる。

 ゲーム依存、ネット依存の治療を行っている久里浜医療センター院長の樋口進氏の講演を4月に聞く機会があったが、樋口院長はこれらの依存を国際的に病気として認定するよう、毎年WHOに赴いて各国の専門家たちと働き掛けを続けてきたという。

 これまでは習慣や衝動の障害という、分かりにくい病名しか付かなかった。それが今回、患者の統計や保険の支払いなどに利用されるICDに入ることで、保険治療も受けやすくなるという。また治療法の研究や国としての対策が進むことが期待できると樋口院長は話していた。

 今回の改訂では、ゲームの時間を自分でコントロールできず、日常生活でゲームを最優先してしまい、健康や人間関係にも支障を来す状態が1年以上続いた場合に障害と認定される。インターネットの普及でオンラインゲームが広がり、ネット依存症もゲームへの依存が多いという。

 ちなみに、筆者は自宅近くの小さな駅の前で、白昼100人近く(老若男女問わず)がスマホでポケモンGOの画面に見入る光景に出くわしたことがある。この人たちが全員依存症というわけではないだろうが、本当にこれでいいのかと考え込んだ。

 政府はまず実態を調査し、結果を踏まえて対応するという。ゲーム産業への配慮もあるだろうが、何とももどかしい。

 樋口院長は、日本ではIT技術の進歩が優先され、対策が遅れていると訴えていた。事は若い世代、子供たちの将来に関わる問題である。

(誠)