世界日報 Web版

還暦の元旦富士見登山


 元旦早々、山梨県山中湖村の石割山に初登山に行った。登る途中には、天岩戸(あまのいわと)にまつわる石割神社がある。
 神社の鳥居から403段もの石段を20分、さらに山道を20分ほど登り、ようやく神社にたどり着いた。

 ここは古事記にある天岩戸隠れの天照大御神(アマテラスオオミカミ)が顔をのぞかせた瞬間、天岩戸をこじ開けたという天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)を主祭神に、ご神体の大岩が祭られている。

 高さ15㍍の大岩に、幅60㌢の人がやっと通れる石の割れ目がある。人工的に切断したかのようにスパっと縦に割れている。昔の人は大岩に神が宿っていると考え、そこから天岩戸の伝承が生まれたというのが容易に想像できる。

 大岩の隙間を3回、時計回りに通り抜けると幸運が開けると言われている。さっそく体を横にして通ってみた。連れ合いは大岩の気のパワーを体中に感じたと、その後の足の運びは実にパワフルだった。

 石割山からさらに平尾山、大平山へ、雪帽子の富士を真正面に群青の山中湖を眼下に4時間の縦走となった。途中、擦れ違うのは山ガールや若いカップルが多い。われわれのような還暦超えは珍しい。

 山ブームもあり、若い人が山の中の巨木や巨石、秘境の渓谷にやって来る。不思議な感覚ではあるが、奥深い自然のパワースポットに惹(ひ)かれるのは縄文人のDNAが今の人にも脈々と流れているということなのであろう。

 1月中旬ごろから、ここからダイヤモンド富士が見られる。冬の時期、純白の富士は格別に美しい。

 日本人は昔から自然の神々を崇拝し、魂を浄化させてきた。富士を眺めていると日本人に生まれて良かったと感謝の思いに浸れる静かな時間がある。だから、幸運が開けるのかもしれない。来年もまたここに来よう。

(光)