世界日報 Web版

反面教師の大人


 「加計学園」(岡山市)の愛媛県今治市への獣医学部新設をめぐる衆参両院の閉会中審査が行われる前日(今月9日)のこと。総理官邸前交差点(東京・永田町)で、数人の男女がドンドンと太鼓を叩(たた)きながら、「安倍は辞めろ!」と、叫んでいた。そばの立て看板に「安倍首相は前川さんを見ならえ」とあった。審査には、話題の人物、前川喜平・前文部科学事務次官が参考人として出席したから、それに合わせたパフォーマンスだろう。

 では、安倍首相に、前川氏の何を見習えと言うのか、それは書いていなかった。出会い系バー通いをして、女性の貧困問題を調査すべきだと言うのだろうか。

 日本の教育行政を担う官僚のトップでありながら、いかがわしい店に通っていたことは報道で知って呆(あき)れたが、閉会中審査での“詭弁(きべん)”にも驚かされた。文部官僚の天下り問題の責任を負って辞めた本人が、獣医学部設置の問題と天下りを結び付けるのは「おかしい」と開き直ったのだ。

 天下りの背景に、岩盤規制と学校新設の許認可に対する役所の絶大な権限があることは明らかだ。にもかかわらず、平然と詭弁を弄(ろう)すとは、さすがに道徳教育を蔑(ないがし)ろにしてきた戦後教育のエリート。論点ずらしや自己正当化にだけは長(た)けている。

 子供への道徳教育の観点から、決して手本にしてほしくない大人がもう一人いる。民進党の蓮舫代表だ。昨年10月で日本と台湾の二重国籍を解消したことを、裏付けを出して明らかにしたが、それまでは二重国籍で国籍法を守っていなかったことについては「故意ではなかった」と弁明。しかも、違法状態で参議院議員や閣僚となっていたのだから、同情の余地なし。

 今、テレビをつければ、悪い手本の大人はゴロゴロ出てくる。子供たちが彼らを反面教師と考えるようになれば、日本の未来は少しは明るくなるだろう。(森)