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政治家は番犬ではない


 日曜の早朝に放送されたTBSテレビ『時事放談』で、森友・加計学園問題などで政府追及の先頭に立っていた民進党の玉木雄一郎幹事長代理が今週、告示される東京都議選と関連して、政治家は「政権のポチ」か「国民の番犬」の2種類に大別されるという話をしていた。

 都議選の脈略で出た話なので、国会議員にそのまま援用することはできないだろうが、最近の国会審議を見ていると、何を言いたいのか分からないでもない。しかし、その「ポチと番犬が吠え合う国会」があまり長々と続けば、多くの国民は嫌気が差してくるはずだ。

 最近の世論調査で安倍政権の支持率が軒並み下落している。

 テロ等準備罪法案について参院の委員会採決を省略し、一気に本会議で中間報告を求めて採決し可決、成立させたり、「怪文書」としていた文書の再調査に追い込まれた上に、内閣府と文科省の調査結果が食い違ったりと、国会運営で拙さを露呈した以上、ある面、仕方のない結果だともいえる。

 ところが、それで「番犬」を買って出た民進党の支持率が上がったかと言えば、4・3ポイント増(10・4%)という異常に高い上昇率を見せた共同通信を除くと、横ばいから2ポイント増の1桁支持率にとどまっている。森友・加計問題のように、政府のやり方を追及するだけでは、国際テロ対策や規制改革という根本問題に対するビジョンは見えない。憲法改正に対する見解や、北朝鮮や中国の軍事的脅威にどう対処するのかも見えない。それでは自民に対抗できる支持を得られるはずがない。

 政治に国民レベル以上のことを期待することはできないが、それでも一歩先駆けて未来のビジョンを示し国民をリードしなければならないのは政治だ。「よき政治家=国民の番犬」論からはそんな気概が感じられない。玉木氏や民進に不満を感じるのは、それでもまだ自民に代われるのは民進しかないと期待するためだ。(武)

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