薬物使った性被害防止


 6月26日は、国連が定めた「国際薬物乱用・不正取引防止デー」だ。1987年のこの日に、ウィーンで開かれた国際会議で、薬物乱用の防止・削減を国際協力によって進めるという政治宣言が採択されるとともに、この日を防止デーにすることが決まったことからスタートしたものだ。わが国でも薬物乱用撲滅に向けて、シンポジウムや街頭における啓発活動など、官民挙げてさまざまな取り組みを行っている。しかし、その努力が実っているとは言い難い。

 2016年に全国の税関が押収した覚醒剤の量は約1500㌔で過去最高だった。また最近は、芸能人が薬物乱用で逮捕される事件が相次いでいるし、若年層の大麻乱用が社会問題になっている。薬物問題においては、統計に表れるのは氷山の一角と言われる。僕滅に向かうどころか、逆に悪化しているのが実情だとみていい。

 世界はさらに深刻だ。先日、乱用防止活動を行っている民間団体の関係者と話す機会があった。その時、米国の女性3人がドラッグの混入した飲み物を飲ませられて性被害に遭う、いわゆる「デートレイプドラッグ」被害を防ぐため、薬物に反応して色が変わるストローを開発したという話を聞いた。

 会社に帰ってネットで調べると、色が変わるストローを発明したのはマイアミの女子高生たちだということが分かった。さらに驚いたのは、デートレイプドラッグ被害を防ぐ目的で開発されているのはストローだけでなく、コップ、マニキュアまであるということだ。それだけ被害が多く、その割合は、女性5人に1人とも言われている。

 日本でも、アルコールを飲まされて意識を奪われ、性被害に遭う女性が後を絶たないが、これからはデートレイプドラッグ被害も心配される。こうした卑劣な犯罪を防ぐためにも、薬物に対する取り締まりの強化とともに、性犯罪の厳罰化は急ぐ必要がある。(清)