「組み体操」事故の要因は? 「感動」求め年々高くなる傾向


◆ きょういく Q&A ◆

「組み体操」事故の要因は? 「感動」求め年々高くなる傾向

小学生の主な種目負傷数(平成25年度)

  東京都教育委員会が、「組み体操」の安全対策検討委員会を設置すると発表しましたが、どうしてですか。

  組み体操は、多くの小中学校の運動会や体育大会で行われています。子供たちが何段にも積み上がる「ピラミッド」や「タワー」は見せ場ですが、けがや事故が相次いでいるため、検討委では大学教授、学校長、PTA代表などが危険性を検証し、安全に行うための指導法や対策を3月までにまとめて報告することになったのです。

  組み体操はどこの学校でも行っているのですか。

  文部科学省が定める小中高の体育の学習指導要領には、組み体操についての記載はありません。実施は学校の判断に任せられています。道具を使用せず人間の体を用いて行う集団芸術、マスゲームの一種で、明治初期から導入され体操教育の基礎となっていますが、実施しない学校もあります。

  けがや事故はどうして増えたのですか。

  一体感や感動から、ピラミッドやタワーの規模が年々高く大きくなる傾向があります。平成25年度には全国の小学校で起きた負傷が6015件報告されました。骨折も少なくありませんから、運動不足や食生活の変化で、子供の骨が弱くなっているのかもしれませんね。ある生命保険会社の調査では、子供の骨折が40年前の2.5倍になっています。

  文科省はどのような指導をしているのですか。

  全国の教育委員会などに対し、事故防止の対応を求める通知を出し、必要に応じて組み体操を含めて体育や運動会の内容の見直しを求めています。