国連事務局の日本人職員 「望ましい数」の半分以下


国連事務局の日本人職員 「望ましい数」の半分以下

国連事務局における「望ましい職員数」および「職員数」(2013.6.30現在)

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)が「南京大虐殺の記録」を世界記憶遺産に登録したり、国連人権理事会が任命した特別報告者が、日本の女子学生の13%が援助交際を経験していると発言して後に撤回するなど、国連の公信力を貶める事態が相次いでいる。いったい国連で働く日本人はどのくらいいるのか。

 文部科学省の資料によると、米国(22%)に次ぐ分担金の比率(10.833%)に見合う職員数には程遠いのが現状だ。国連事務局の地理的配分の原則が適用されるポストの総数は2907(2013年6月30日現在)で、そのうち日本人は88人。アメリカ(363人)、英国(135人)、フランス(132人)、ドイツ(128人)、イタリア(128人)、カナダ(90人)に次ぐ7位だ。

 一方、国連事務局は職員採用のガイドラインとして分担金の比率や人口などに基づいて「望ましい職員数」を算定しており、日本は181~245人で、アメリカ(362~490人)に次ぐ2位で、3位ドイツ(121~164人)の1.5倍にもなっている。英国、フランス、イタリア、カナダなどは「望ましい職員数」の上限以上の職員がいるが、日本は下限の半分以下と圧倒的に少ない。ただ、女性職員の割合は62.5%と職員数の上位国では群を抜いており、男性の奮闘が必要だ。