「私たちの道徳」の持ち帰り、中学校の2割で「指導せず」


「私たちの道徳」の持ち帰り 中学校の2割で「指導せず」

「私たちの道徳」を学校に置いたままとせず、家庭に持ち帰るよう指導しているか

 文部科学省は今年4月から小中学生向け道徳教材「私たちの道徳」を配布し、家庭や地域でも活用するよう呼びかけてきた。弊社のアンケート調査(6~7月)では約8割の家庭が「持ち帰っていない」と回答するなど、教材が十分活用されていないことが分かった。

 こうした状況を懸念し、文科省は今年7~8月、全国の小中学校約3万校と全国67教育委員会を対象に活用状況等に関する調査を行った。その結果、小学校80.9%、中学校72.7%が「家への持ち帰りを指導している」と回答。一方、小学校の1割、中学校の2割で、持ち帰り指導を行っていないことが分かった。

 その理由に、「忘れ物や紛失を防ぐため」「配布されたばかりで周知が足りず、趣旨や内容を把握できていなかったり、共通理解が図られていなかったため」などを挙げている。

 この間、文科省は3度に亘って家庭や地域での活用を通知しており、それでも夏休みに家に持ち帰るよう指導していなかったというのは、教育現場に問題ありと言わざるを得ない。

 持ち帰りを徹底するとともに、活用方法の指導も必要だろう。まず家庭の保護者が道徳教材を読んで、子供と一緒に学ぶ時間を持ってほしい。