成人学力はOECEでダントツのトップ


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 15歳対象の学力調査「PISA」で、日本の学力低下が懸念されたが、今回16~65歳の成人対象の「国際成人力調査」では、読解力、数的思考力いずれも経済協力開発機構(OECD)24カ国・地域でトップ。2位のフィンランドを大きく引き離す結果となった。

 「国際成人力調査」は、読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力の3分野のスキル・習熟度を測定、年齢、学歴等との関連性も分かる興味深いもの。日本は成人学力が高いだけでなく、下位層が10%未満と少なく、上位下位の各5%の得点差の開きが小さい。年齢との関係では、日本の55~59歳の読解力は、OECDの25~29歳とほぼ同じ。50代でも高い能力を維持している。学歴との関係では、日本の中卒の読解力は米国・ドイツの高卒レベル。読み・書き・計算を中心の日本の義務教育の強さが裏付けられた。

 ただ、成績最上位層の割合ではフィンランドがトップ。近年、日本の国際競争力の低下が囁(ささや)かれているが、日本の技術力を支えてきた中間層の高さと分厚さを土台に、トップ層を引き上げるような、教育・社会環境が整えば、日本は世界一の競争力を持つ国になれる可能性が十分にある。