短期大学数、4年制大学数、短期大学学生数の推移


短大はピーク時の4分の1 高等教育機関の棲み分けを

 学生数の減少に伴い、学生確保のため、多くの短大は共学の4年制大学に移行することで活路を見いだしてきた。その結果、短大の学生数はピーク時の4分の1、大学数は6割まで激減した。4大中心主義の大学行政の下、短大は4年制と専門学校の狭間(はざま)で、存在意義を失っている。

 ただ、大学進学率は思うほど伸びず、4年制の私大に半分が定員割れ。ここに来て、4年制に倣うのではなく、むしろ短大の特徴を最大限に生かした大学づくり、役割を模索する動きが出始めている。

 短大の特徴は4年制の教養教育と専門学校の実務教育の両方を併せ持ち、短い期間で社会が求める人材を効率よく育成できる点にある。短大卒業後は栄養士、看護師、保育士、幼稚園教諭といった専門職に就く人が多い。

 一方、子育て後に資格取得のために学び直す、高齢者の再就職の道を拓(ひら)くなど、実学的な専門職への社会ニーズは高まっている。地域に根差した生涯学習機関としてうまく機能している米国のコミュニティカレッジの例もある。各々の役割に応じた棲(す)み分けができれば、生涯学習機関として短大の役割はむしろ大きくなるだろう。