新年最初の朗報は、昨年1年間に全国で…


 新年最初の朗報は、昨年1年間に全国で交通事故で亡くなった人が4373人で、一昨年を38人(0・9%)下回り、2001年から13年連続の減少となった……というニュースである。各紙は警察庁の発表を受けて昨日の夕刊、小紙は本日付で報じている。

 交通死の13年連続減を達成した意義は大変に大きいものだが、関係者にとってはそれこそ薄氷を踏む思いであったろう。前年比でみると、減少数が一昨年252人(5・2%)、その前年は259人(5・3%)と3ケタなのに、昨年は2ケタで率も1%以下だったから。

 それもそのはずで、昨年上半期は3月だけが前年比微減で、あとはどの月も前年より増えた。その結果、死者は2004人と前年同期より70人増。13年連続減少に赤信号がともった。

 警察庁が手を打ったのは7月。ものが見えにくくなる日没前後の指導や取り締まり強化を図ったことが奏功した。下半期の交通死は2369人で前年同期比で108人減となった。月ごとでも毎月、前年比マイナスを記録した。

 特に目覚ましかったのは前年比60人減の378人だった10月で、それまでの総計でも24人減となり、初めてマイナスに転じた。

 何とか13年連続減を達成したが、高齢者(65歳以上)の交通死は12年ぶりに前年より増え、死者に占める割合(52・7%)も1967年以降で最多に。14年連続減を目指す今年の課題である。