千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さんが…


 千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さんが両親による虐待で亡くなった事件は、知れば知るほど、やりきれない気持ちになる。市教委や児童相談所の不手際など、大人が周りにいながらなぜ守れなかったのかとの思いが募る。

 事件を受け、政府は関係閣僚会議を開いて新たな児童虐待防止対策を取りまとめた。今も起きている可能性のある事案について、児童相談所などが1カ月以内に子供の状態を緊急確認すること、虐待に関する通告元を明かさないルールの徹底などからなる。

 警察庁のまとめによると、昨年1年間に児童虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した子供の数は、過去最多の8万人であった。国会で安倍晋三首相は「本来、子供たちを守るべき大人が……」という言葉で答弁を始めている。虐待が起きる原因はさまざまだろうが、未熟な親が増えているのは残念ながら事実である。

 その分、周りの人々や教育関係者、つまるところ国や社会が補っていくしかない。子供は、親でなくても大人が、社会全体で守ってやるという空気がもっと必要だ。

 かつて日本には、大人は他人の子供であっても心配する文化があった。よその家の子でも悪いことをしていると叱ったりたしなめたりする社会だった。それが、核家族化やプライバシーの尊重などで、できにくくなってしまった。

 そんな昔に戻るのは難しいかもしれないが、周りが注意しなければ子供たちが犠牲になるばかりである。