世界日報 Web版

東京・四谷にある母校の上智大を久しぶりに…


 東京・四谷にある母校の上智大を久しぶりに訪れた。卒業生たちの小さな会に出席するためだった。正門に至る土手のサクラは異様なほどの巨木に成長して、卒業以来の歳月の長さを感じさせられた。

 四十数年ぶりだ。早く着いたので、食堂のあるビルに入り、階段を上っていった。3階のフロアには学生専用の無料のプリンターが8台並んでいて、学生たちがノートパソコンのデータを印刷していた。

 気流子が学生の頃、論文は手書きで、下書きを清書して提出したが、枚数が多くなると清書だけで一日作業で、指が痛くなった。プリンターを見ていると未来に来てしまったような錯覚を覚えた。

 どの企業でも採用している機器にすぎないのに。さて、集会で知人はほとんどいなかったが、配布された会報「コムソフィア」(74号)には、懐かしい人物が登場していた。

 昨年亡くなった英語学者の渡部昇一さんだ。教え子の稲村哲さん(「コムソフィア」編集長)と栃木立人さん(元秀明大教授)が追悼文を寄せていて、情熱あふれる授業ぶり、熱心な勉強ぶりに触れていた。

 稲村さんは「共存したドイツ精神と大和魂」と題し、この二つの結合から渡部さんの他を圧倒する論理が構築されていたと語る。栃木さんは、語源学の分野に興味を持ったのは渡部さんによるもので、中世英語の時間では英文の暗誦(あんしょう)が必須。「力がつく」と激励されたという。教え子たちからも特別に慕われた教師だったのだ。