最近、大きな封筒に入った郵便物が多くなった…


 最近、大きな封筒に入った郵便物が多くなった。個人からのものであれ団体からのものであれ、このような印象がある。内容物を折り畳めば小さな封筒で済むし、料金も安くなるのにと思う。送り手の年齢と関係があるとも考えられる。若い人ほど大きな封筒を使うことが多いようだからだ。

 こういうふうになったのは「印刷された状態のままがよい」と送り手が考えるようになったためだろう。クリアファイルが普及して内容物を保護しやすくなったことも関係していよう。

 折ったものは、折る手間がかかっている。受け取った側も、広げる手間がかかる。大したことではないが、ひと手間かかることは確かだ。時間の問題だけではなく、心理的な負担も関係していそうだ。

 紙を折らないのは「折ってはいけない」という心理が働いている可能性もある。その背後には「折っては失礼」との思いがあるとも考えられる。

 折るためのひと手間を省くという流れの中、折るにも折り方がいろいろあると考え合わせた結果、折るという作業を億劫(おっくう)と感じるような傾向が出てきた。そこから「折らない文化」が生まれたのではないだろうか。

 そう言えば「折り目正しい(礼儀正しい)」という用語も死語になりつつある。「折り目」の重要さがだんだん背景に退いて、むしろ「折り目のなさ」が自然で自明なものとなってきたのかもしれない。これはこれで、時代の変化を示しているようだ。