世界日報 Web版

二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化…


 二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化が大きな問題となっているが、「もう一つのCO2問題」と言われるのが海洋酸性化。温暖化の弊害はよく知られ、オゾン層破壊対策も進んでいる。

 一方、酸性化の方は深刻さが増すばかりのようだ。海水が酸性化すると生物の殻や骨格になっている炭酸カルシウムの生成を強く妨害するので、貝類や造礁サンゴ類、魚類などに悪影響を与えている。

 東京都内で開かれた「温暖化・海洋酸性化の研究と対策に関する国際シンポジウム―科学と政策の接点―」に参加し、酸性化の脅威に目を覚まさせられた。特に印象に残ったのは、酸性化の複合的な影響についてだ。

 実は海の生物のうちには、酸性化で逆に勢いを得るものもある。褐藻・緑藻類やソフトコーラル(柔らかいサンゴ)類など。酸性化がプラスかマイナスか明らかでない生物もある。

 海は全体で一つの生態系となっている。酸性化で好影響と悪影響を受けた生物が互いに作用し合えば、より高次の生態系において従来考えられなかった大きな混乱を引き起こす可能性があるというのだ。「漁業資源が半分になる」(世界海洋評議会)とも。

 シンポジウムのこれらの報告を聞いていて、日本の少子化問題を思い起こした。婚姻数の減少や結婚しても子供を産まない家庭の増加など、一つ一つは伏在していた要因だが、それらが重なり合い人口減少が一挙に加速している。海の環境問題も嫌な予感がする。