世界で最も人気のあるスポーツ大会の一つが…


 世界で最も人気のあるスポーツ大会の一つがラグビーワールドカップ。その日本大会まで1年を切った。アジア初の開催で、世界各国の人たちが訪ねて来よう。

 日本代表は前回2015年大会で、強敵南アフリカを負かす大金星を挙げ、大いに留飲を下げた。ただ日本のラグビー競技率は世界でも最低水準で、大会の広報や周知が急がれる。

 数年前、さいたま市で若年者のラグビーと言われる「タグラグビー」の普及のための講習会を取材した。1チーム4~5人の少人数で行い、ボールを持ったプレーヤーは、腰にぶら下げた帯状の「タグ」を相手に取られると、後方の味方にパスするというルールだ。

 小学生レベルでは、一つの球を奪い合う、日本発の「ポートボール」に似た競技だというのが実感で、もう少しスピード感が欲しい。既に、小学校の学習指導要領の解説書に例示され、授業に取り入れた学校もあるが、限られている。

 今日、人気の高いサッカーとは比べようがないが、サッカーもメキシコ五輪(1968年)の銅メダルを機に、地域のサッカー教室などがにぎわい広がった。今からでもラグビー人口の裾野を広げる努力が必要だ。

 ラグビーは英国が発祥地で、もとは祝祭日などに行われた大衆娯楽だった。産業革命を経て洗練され、植民地などを通じ世界に広がった。欧米では、ラグビーを通じた各国間の市民交流も盛んだ。スポーツは平和を創造する手段でもある。