米コーヒーチェーン大手スターバックスが…


 米コーヒーチェーン大手スターバックスが2020年までに世界でプラスチック製のストローを廃止すると発表、ハンバーガーチェーンのマクドナルドも紙製ストローの導入を発表した。こうした動きを受け、日本でもデニーズなどファミリーレストランチェーンで追随する動きが出ている。

 海に流れるプラスチックごみのうちストローはほんの一部で、ペットボトルなどが圧倒的多数を占める。しかしストローは、紙製にするなど代替が比較的容易。まずできるところから始める象徴的な意味があるのだろう。

 海洋プラスチックごみはいまや地球環境の重大問題だ。海に流れ込んだプラスチックごみは、紫外線や波で砕かれる。それが5㍉以下になったものを「マイクロプラスチック」と呼ぶが、これらは有害な化学物質を吸着する性質があり、それを誤嚥した魚の体内が汚染される恐れが指摘されている。

 カナダで開かれた先進7カ国(G7)環境・海洋・エネルギー相会合では、排出削減に向けてリサイクル促進や処理技術の開発推進などで合意した。

 プラスチックの発明によって、生活がどれだけ便利になったかは言うまでもないだろう。熱中症予防のために補給する水分も、ペットボトルがあるからこそ手軽に持ち歩くことができる。

 だが、便利さの陰には常に代償が付きまとい、副作用が起きることを忘れてはならない。便利になったことを手放しで喜ばない、複眼的な思考が必要だ。