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台風襲来で暴風が吹き荒れる現地からの中継で…


 台風襲来で暴風が吹き荒れる現地からの中継で、冒頭に「安全を確保した上でお伝えしています」という言葉を聞くことが多くなった。以前はそんな前置きはなかった。ごく最近になって様子が変わったのだろう。

 「何があったんだろう?」と思っていると「テレビ局へのパワハラ批判を回避したいのがその理由」とのインターネット記事が出ていた。「危険な場所に記者やアナウンサーを配置して台風の中継をさせるのはパワハラ行為だ」と視聴者に受け止められるという判断がテレビ局内に生まれてきたらしい。

 ワイドショーなどであらゆるパワハラ問題を取り上げることは今や定番だ。パワハラ批判番組を安全に放送するためにも、テレビ局自身を身ギレイにしておく必要がある。それはそれでまっとうな判断には違いない。会社(テレビ局)が社員の安全に留意するのは不思議なことではないからだ。

 ネットでは台風中継を「公開パワハラ」と呼んでいた。テレビ中継だから公開は当然。その上、録画されてしまえばパワハラの「物的証拠」にもなりかねない。「取扱注意」の案件だ。

 「パワハラがいけない」となれば、テレビ局の重要な取引先である芸能界もやりにくくなる。芸能界には業界特有のパワハラが多いと言われるからだ。

 芸能界とテレビ局の特別な関係も公然の秘密だ。テレビ局を含む国民の間でパワハラ防止の意識が高まっている以上、話は簡単には収まりそうもない。