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「女みな運転出来て梨出荷」(堀恭子)。…


 「女みな運転出来て梨出荷」(堀恭子)。男女を問わず運転免許証を持つ時代、果樹園では出荷を女性が担当しているところもあるようだ。畑の脇に直売所を置いているところもある。

 埼玉県蓮田市の高虫地区でもナシ栽培が盛んで、その日採れたナシが並ぶ。今、収穫されているのは彩玉。埼玉県オリジナル品種で、平成17年に農林水産省に登録され、県内でしか生産されていない。

 ナシの収穫は8月から11月まで続くが、時期ごとに品種が違い、彩玉の収穫期は8月下旬から9月初めにかけての1週間ほど。新高と豊水の交配で作られ、大玉で糖度も高いが、日持ちがしない。

 高虫にある廿浦(つづうら)敏雄さんの果樹園でも彩玉の誕生後、枝を分けてもらい、接ぎ木して作ってきたが、収穫期が短いので作業が忙しい。「朝5時に作業を始めますがまだ暗く、青いナシが赤くみえます」。

 高虫では最盛期、50人ほどが果樹園を営んでいたが、後継者がいなくなって止(や)めるところが続出、今では13人に減った。廿浦さんも高齢で助手を使っているが、引用句のように、運転できるお嫁さんがいるわけではない。

 それでも栽培にかける情熱は衰えない。9月上旬からは甘く酸味のある豊水、10月には大きくて歯触りのいい新高と続く。気掛かりは出来具合を左右する天候だ。ナシには独特の清涼感があり、日本の古い言葉「水菓子」がぴったりの食べ物。動脈硬化を防ぎ、体調を整え、疲労回復にも効果がある。