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最近、暑中(残暑)見舞いのはがきの枚数が…


 最近、暑中(残暑)見舞いのはがきの枚数が減った。そう言えば、こちらから暑中見舞いを出したことがない。理由ははっきりしている。夏は暑いに決まっているからだ。そんなわけで、相手もはがきをくれなくなったのかもしれない。

 特に今年の暑さからは、暑中見舞いという発想は浮かびにくい。全国各地で40度を記録するなど、命の危険があるほどの暑さである。

 見舞うためには互いにゆとりが必要だが、それがあるとは思えない。暑中見舞いと命の危険との間には十分な距離感が求められよう。そんなことも、今年の暑中見舞いの少なさと関係しているのではないか、などと勝手に推測している。

 暑中見舞いが減ろうが減るまいが、地球環境全体からすれば温暖化の流れは止まらない。その原因が、今日の文明の在り方と深く結び付いているのはもはや否定できない。

 暑かったり、それほどでもなかったりを繰り返しながら、大きな流れとしては温暖化が不可逆的に進む。原子力発電が温暖化対策の有効な手段であることは明白だが、原発の再稼働は十分に進んでいない。

 幕末の志士の一人で軍事の天才と言われた大村益次郎(長州)は「暑いですね」との言葉に対しても「そんなことは分かっている」と返したという。あいさつ言葉なのだから、そんなにそっけなく応対しなくても、とは思う。明治2年に保守派によって暗殺されたのは、そんな彼の個性も関係しているのかもしれない。