世界日報 Web版

福島県磐梯町に国指定史跡「慧日寺跡」がある…


 福島県磐梯町に国指定史跡「慧日寺跡」がある。ここに金堂が復元されたのは2008年3月。復元されて間もない頃、ここを訪れたことがあった。参道には農家の家並みがあり、かつて修験の衆徒の村だった面影が感じられた。

 磐梯山と猫魔ヶ岳を背景にして、山から湧き水が流れ、小川となって境内を流れている。平安末期から室町時代にかけて隆盛を誇り、仏教文化を会津地方に根付かせて、門前町が形成された。

 だが、16世紀末に戦火に巻き込まれて焼失、1869年の廃仏毀釈(きしゃく)で廃寺となった。多くの文化財が失われたが1904年、境内にあった観音寺を充てて再興したのが現在の真言宗「恵日寺」だ。

 東日本大震災のあった翌年、磐梯町の五十嵐源市町長は「震災復興の街づくりは先人が残した慧日寺を核に進めるべきで、金堂には薬師如来坐像が必要だ」と町の史跡慧日寺跡調査・保存・整備指導委員会で訴えた。

 文化庁や奈良の文化財研究所でも訴え続け、15年8月に青柳正規文化庁長官(当時)が理解を示し、本尊の復元が国に認められることになった。薬師如来坐像の制作は東京藝大大学院教授の籔内佐斗司さんのチームが担当。

 全高約4㍍に及び、総重量は1㌧。先月9~10日に搬入設置し、30日に完成披露式が行われて、一般公開が始まった。1200年前、高僧徳一がこの寺を開いたのと同じような悲願があり、過去と現在が重なり合うような披露式となった。