来春卒業予定の高校生の就職内定率は、…


 来春卒業予定の高校生の就職内定率は、10月末までの調査で前年同期より3・2ポイント上昇し64・1%だったことが分かった。内定率が最も高かった学科は工業科で79・7%。以下、看護科74・9%、福祉科69・0%と続いている。

 看護や福祉関係で人材の募集が多くなっており、それがこの数字にも表れている。看護や福祉の仕事に就き、その中で国家資格を目指すというプランを持つ生徒も多いだろう。

 超高齢化社会を迎え、介護も含め看護、福祉関係の職種は以前と比べずいぶん多くなった。介護やリハビリの分野だけでも、社会福祉士、介護福祉士、理学療法士、保健師などが挙げられる。

 その一つ、お年寄りの日常生活をサポートする介護福祉士。身の回りの世話をしながら、お年寄りの健康だけでなく心のケアもしなければならない。

 食事の世話をしたり会話したりしながら、顔色を見るだけで「きょうは具合が悪いのかな」「血圧が高いのかな」「気分が沈んでるな」と判断できないと一人前でないといわれる。生活の場と医療を結びつけるやりがいのある仕事だ。

 その一方で、重労働や職場・現場の人間関係のために挫折し、その夢をなくしてしまう若者も少なくない。公務員並みの職務規定、収入が伴わない、社会的ステータスが高くないなどの厳しい現実もある。福祉に携わる若い芽を伸ばすための法、社会的サポートの充実を図りたい。