世界日報 Web版

かつて卓球が「日本のお家芸」と呼ばれた…


 かつて卓球が「日本のお家芸」と呼ばれた時代があった。丸形ラケットによるカット守備スタイルの欧州卓球に対し、ペンホルダーラケットで前陣のスマッシュ、中陣のドライブ、ループと威力ある多彩な攻撃でラリーを制してきた。

 1950年代から70年代にかけて世界選手権で日本の卓球はトップに君臨。その中心が「ミスター卓球」と称されたレジェンドの荻村伊智朗だ。

 初出場の54年の世界選手権で団体、シングルスで優勝したのをはじめ60年代までに世界選手権は計12、国際トーナメントの優勝は100回を超えた。80年代からは丸形ラケットを攻撃的に駆使し、前陣速攻の超スピード卓球で世界を席捲した中国の時代が続いてきた。

 その中国勢のお株を奪う目の覚めるような速攻で、日本の卓球界に男女とも10代のヒーローが世界に名乗りを上げた。福岡・北九州市立総合体育館の「荻村杯ジャパンオープン」決勝(10日)で、男子は14歳の張本智和が2012年ロンドン五輪金メダルの張継科(中国)をねじ伏せ、女子は17歳伊藤美誠が過去6戦全敗の王曼昱(中国)を打ち破り、シングルスのアベック優勝を果たした。

 ツアーVは張本が17年チェコに続いて2勝目、伊藤は15年ドイツの初Vから5勝目だが、荻村を称(たた)えて冠がつく国内唯一の国際卓球連盟ワールドツアーを制した意義は大きい。

 次々と中国勢を撃破した2人の視界に、20年東京五輪頂点への可能性が大きく広がってきたのだ。