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「紫陽花の色の揃はぬ盛りかな」(真鍋蟻十)…


 「紫陽花の色の揃はぬ盛りかな」(真鍋蟻十)。この時期の花と言えばアジサイがすぐに思い浮かぶ。最近は道を歩いていても、アジサイが咲き誇っているのを見掛けることが多い。色合いも、青緑からピンクや薄くグラデーションになっているものもある。

 そろそろ関東地方も梅雨入りしそうだ。気象庁の予報では平年は8日あたりで、昨年は7日だから、いずれにしても、今週中には梅雨入り宣言がなされることは予測できる。

 カビや食中毒、蒸し暑さや不快感、衣服などの洗濯物がなかなか乾かないことなど、梅雨にはいいイメージがない。これに、雨による通勤や通学の難儀さや精神的なストレスも加わる。天候が精神状態に大きな影響を与えることは間違いない。

 大学に入学したばかりの1年生や新入社員がかかりやすい「五月病」や「六月病」は心身の不調だが、梅雨は六月病の原因の一つでもあろう。それもあって、他の花と比べてアジサイは少し損をしている面があるかもしれない。

 アジサイの色彩は、他の花にはない華やかさがある。ただ、花の盛りの時はきれいな原色であっても、その後は青やピンクに移り変わっていくので、まだら模様の時期はそれほど美しいとは言えない。

 ただ、アジサイは晴れの日よりも雨に濡れた時の方が美しく映えることは確かだ。水で溶かした絵の具を白い画用紙に塗って色がにじんだ時のような感じになって、何とも言えない風情がある。