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落語の独演会には寄席とは違った面白さが…


 落語の独演会には寄席とは違った面白さがある。メインの噺家(はなしか)を中心に弟弟子やゲストが出演して、なんとなく一族が集ったようでもあり、噺家たちの普段見えない姿も感じられて、親しみが一層深まる。

 先週末、東京の日本橋亭で春雨や風子さんの第2回独演会が開かれた。風子さんは落語芸術協会所属の二つ目で、昨年末には東京在住の同じ女性落語家たちと「落語ガールズ!」を結成した。メンバーは14人。

 ガールズの公演は新宿の落語くらぶで月2回ほど開かれている。この日の独演会には、同じガールズの川柳(かわやなぎ)つくしさんがゲスト出演。枕で語ったのは、川柳川柳(せんりゅう)師匠から受けた教育ぶりだ。

 入門した頃、師匠は偉い人だったので、理不尽なことを言われても何も言えなかったと回顧。ところが今は真打ちで、師匠のことを「ケチで酒好き」と批判し、その滑稽な醜態ぶりを隠すことなく打ち明ける。

 この日、前座を務めたのは風子さんの唯一の弟弟子、春雨や晴太さん。「狸札」の噺を終えた後、次の出演者のために座布団を裏返す仕草を見つつ、風子さんも、つくしさんも、この過程をたどって今があるのかと感慨深かった。

 同じ門下の春雨や通風(つうふう)さんも応援に駆け付けた。風子さんの最後の一席は、分かれた夫婦が子をかすがいに縁を取り戻すという「子別れ」。妻と子供の役の演技には、男性噺家とは違ったたおやかな情趣があって、しみじみと心を打たれた。