野党6党は財務事務次官のセクハラ疑惑の…


 野党6党は財務事務次官のセクハラ疑惑の責任を負うべきだとして麻生太郎副総理兼財務相の辞任を求め、衆参両院で審議を拒否した。今後も要求に応じなけば審議拒否を続ける方針で、与野党の対立が先鋭化している。

 内憂外患が続く中、国会の議論の最大テーマは南北、日中韓、米朝、それに続く可能性のある日朝首脳会談にどう臨むかなどの外交課題のはずだ。働き方改革関連法案の審議も待っている。

 与党は主要野党抜きで審議を進めているが、23日開催を目指していた衆参予算委員会での集中審議は見送った。野党が意図的に政府の対策を遅らせようとする国会戦術に執着していることは、全く理解に苦しむ。

 対決姿勢を前面に出す党利優先の国会戦術は、かつての社会党が繰り返したものと全く同じで幼稚だ。国民多数の損失を大きくする露骨な手法でもある。

 言うまでもないが、国会は与野党が精密な情勢分析に基づき政策論を戦わせるべき所。政治家にとって桧(ひのき)舞台に違いないし、何といっても国民に対する義務遂行の場である。その入り口を閉ざしてしまうのは、政治家の自滅行為だ。

 現政権の支持率低下が著しいのに、野党の人気も冴(さ)えない。有権者の多くが“冷めた目”で政治を眺め、政治に距離を置いていることの証明という以外にあるまい。二大政党が国民大多数のための政策を競い合って国の発展を支えるという政治本来の望ましい在り方とは、程遠いと言わねばならぬ。