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「困難にも決してあきらめないという不屈の…


 「困難にも決してあきらめないという不屈の価値を実現しました」(閉会式の主催者あいさつから)。平昌パラリンピックが幕を閉じた。障害を持つ選手の奮闘、不屈の精神と、器具を自分の手足として発揮する優れた身体能力に魅せられた10日間であった。

 日本は前回ソチ大会のメダル6個を上回る10個(金3、銀4、銅3)獲得に輝いた。選手らの闘志を讃(たた)えたい。

 アルペン女子座位で日本のメダルの半数(金1個を含む5個)を獲得した村岡桃佳選手(早大)は、幼少時に発症した横断性脊髄炎で車いす生活を過ごしてきた。今大会最終種目(女子回転座位)での五つ目のメダル(銀)は、1回目2位につけ2回目の中盤で転倒したが、あきらめなかった。

 「何かが完全に吹っ切れた。ただただゴールだけを目指していた」。無心の滑りが力みをとり、2回の合計タイムで表彰台を引き寄せたのだ。

 距離スキーの男子10㌔クラシカル(立位)の37歳新田佳浩選手(日立ソリューションズ)も、スタート直後の転倒から起き上がり、逆転の金メダルを手にした。

 3歳の時に祖父の運転する農業用機械の事故で左肘から先を失った。8年前のバンクーバー大会で獲得した金メダルを、事故に負い目を感じる祖父の首に掛けた時の感慨は忘れられなかった。その祖父が亡くなり、今回は観客席の妻子の声援が力の支えに。「あきらめなければ結果はついてくる」と不屈の闘志を最後まで貫いたのだ。