出社前の孫が家を出る間際に「きょうアマゾン…


 出社前の孫が家を出る間際に「きょうアマゾンで買ったベッド・テーブルが届くから受け取っておいて」と言った。それを聞いた87歳の祖母が「なんで、そんなもの外国から買うんだい?」と問い返した。祖母はアマゾン川のあるブラジルに注文したと思ったのである。

 もちろんアマゾンというのは、ネット通販大手のアマゾンのこと。後で大笑いしたという同僚の話である。

 そういう気流子も、蔵書整理のために大型のスチール本棚をアマゾンで注文した。ネット上には、商品の写真や大きさ、素材などが細かく記されている。古本の場合は保存状態なども書かれているので、まずハズレはない。

 本のネット通販から始まったアマゾンだが、そういう便利さから、扱う品物はずいぶん多岐にわたっている。特にネット世代の若い人の場合、利用率は高い。

 そのアマゾンジャパンが、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。自社サイトで販売する商品を納入した業者に対し、値引き額の一部を補填(ほてん)させたのではないかというのだ。高いシェアを持つ業界の巨人ともなると、こうした乱用が起きる可能性は高い。

 アマゾンの社名は、世界一広い流域面積を持つアマゾン川になぞらえて命名されたという。幅広い顧客へのサービスを念頭に置いてのものだろう。間違っても、多くの企業や個人から利益を吸い取るだけの会社にはなってほしくない。