水産資源の管理が国際的に強化される一方、…


 水産資源の管理が国際的に強化される一方、排他的経済水域(EEZ)内での外国漁船による違法操業が後を絶たない。日本だけでなく、今や世界的な問題となっている。

 南米アルゼンチンでは先般、同国沿岸のEEZ内で中国漁船が違法操業を行っているのを沿岸警備隊が発見。8時間にわたって追跡し停船を命じたが応じず、威嚇射撃を行った。一昨年にも同様の事態が発生し、中国船を撃沈した。

 ところが太平洋に散在し、沿岸警備の体制が十分でない島嶼(とうしょ)国の場合、力で取り締まることができないのが現状だ。大国と変わらない広さのEEZを有するが、管理が手薄で、違法操業の他、麻薬密輸、人身売買、マネーロンダリング(資金洗浄)など越境犯罪の温床になっている。

 フィジーは、水産業が重要な生計手段の一つだが、違法操業や沿岸環境の破壊、汚染などにより、資源は減少の一途をたどっている。パラオには国家海洋警察はあるものの、拿捕(だほ)した漁船の法的処置の手続きが複雑で、政府の大きな負担になっているという。

 他の島嶼国も数千から数十万の人口から成る小国で、海洋の管理状況は推して知るべし。地元民は生計手段の確保に追われている。

 この海域では安全保障上の視点から、米国が主導して沿岸警備の協力体制を構築することが急がれる。国際協力機構(JICA)は、人材を派遣して沿岸資源管理手法の開発などの支援に力を入れており、その強化が必要だ。