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福島県猪苗代町のスキー場で、下から上に…


 福島県猪苗代町のスキー場で、下から上に駆け上がるという前代未聞の逆走マラソンが行われたのは2011年6月。「馬鹿らしいけど面白い」という感想がランナーから寄せられた。

 県内各地のスキー場はこの年、東京電力福島第1原発事故による風評被害で、来場者の激減が予想された。野口英世記念館(猪苗代町)など観光地への観光客は8割も減少。逆走マラソンはゲレンデの安全性を訴えるために生み出されたアイデアだ。

 雪には放射線を遮る効果があるというので、線量がどの程度低下するかも測定するようになった。レースはシリーズ戦へと駒を進め、初年度は8戦を開催。だが、参加者は少なく、400人強だった。3年目には、温泉地のサービス向上で増え始めた。

 16年は1600人を超え、17年は1750人がエントリー。今年も5月から10月の間、沼尻スキー場をはじめ磐梯高原6スキー場で六つのレースが行われる。各ゲレンデの特徴を生かした試合だ。

 そして今月、このゲレンデ逆走マラソンが、地域活性化センター主催の第22回ふるさとイベント大賞の最優秀賞(総務大臣表彰)に選ばれた。

 地域の個性を生かし、魅力を高めて活力を生み出したイベントに与えられるものだ。スキー場の安全安心を訴えた催しだったが、それを超えて魅力を発信するようになった。空気も澄んで、山も美しい。大自然の中のマラソンは心身をリフレッシュさせてくれる。