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元横綱日馬富士の傷害事件や立行司、式守伊之助…


 元横綱日馬富士の傷害事件や立行司、式守伊之助のセクハラ問題など不祥事が相次ぐ大相撲で、今年最初の本場所(14日初日、両国国技館)が幕を開けた。土俵では熱戦が繰り広げられているが、八角理事長(元横綱北勝海)の初日恒例の協会あいさつに失望したファンは少なくなかろう。

 状況に対する真摯(しんし)な姿勢が見られなかったからだ。「謝罪なき初日」の見出しに批判を込めた新聞もあった。観客席から飛んだ野次の中には「(不祥事についての)あいさつがないぞ、理事長」という叱声もあった。

 実際、今場所は恒例の天覧相撲が、不祥事続きを勘案した協会側からの辞退申し入れで取りやめとなった。事件現場に同席しながら、暴行を見逃し報告もしなかった白鵬と鶴竜の2横綱は無給での出場。

 結びの一番を裁く立行司も不在で、三役格行司筆頭の式守勘太夫が代行してしのぐなどの異常事態の中での場所である。それでもファンは温かい。初日の当日券は朝のうちに札止め、前売り券は15日間完売である。

 懸賞の申し込みも、過去最多だった昨年夏場所(2153本)を大きく上回るという。不祥事の影響がどこにも出ていないことに安堵する関係者がいるかもしれない。

 だが、謝罪もしなければ、再発防止への決意も示さなかった理事長の姿勢には首をかしげざるを得ない。不祥事について全く触れないまま「土俵の充実に努力」だけを言っても、当の力士も白けるほかなかろう。