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「正月も二十日に成て雑煮かな」(嵐雪)…


 「正月も二十日に成て雑煮かな」(嵐雪)。きょうあたりになると、雑煮も飽きてくる。普通の食事がしたいという気分だ。しかし、余ったモチがみそ汁に入っていたりする。正月気分は、おせち料理や松飾りなどで掻(か)き立てられるが、最近では正月も以前ほど濃厚な雰囲気は無くなってきている。

 年末の紅白歌合戦から初詣、そして正月遊びの数々。そうした習慣に執着しなくなったことがある。「昔は良かった」というのは、過去を美化する面がある。

 それでも俳句の歳時記を見ると、伝統的な正月遊びは驚くほどバラエティーに富んでいたことが分かる。「手毬(てまり)」「独楽(こま)」「羽子板」「福引」「福笑」「歌留多(かるた)」「雙六(すごろく)」など。

 そのほか芸能でも「萬歳(まんざい)」「猿回し」「獅子舞(ししまい)」などが町内を巡り、正月気分を盛り上げた。かつてはどこの町でも見られた光景だった。

 現在では正月といっても、帰省や旅行をするのであれば別だが、都会で過ごす場合はテレビを見るか、おせち料理やごちそうを食べるか、近所の喫茶店に行くか、ぐらいしかないのではないか。それを表すように、開いている喫茶店はどこも老若男女で満員である。

 むしろ正月明けになった方がホッとする気分もあったりする。日常が戻ってくると、自分のやるべきことがはっきりするので、精神的に安定するのかもしれない。半面、時間に追われて自分自身を無くしているのかも。今年は、そんな受け身の自分を変えていく年にしたいものである。