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「ファミリーヒストリー」(NHK総合)…


 「ファミリーヒストリー」(NHK総合)という番組がある。2008年から放送されているから、10年近く続いている。主に芸能人を選んで、祖先を探す。調査能力は大変高く、子孫である現代の人気芸能人らはビックリする。

 記録に残っているのは、高祖父母ぐらいまで。4代前の祖先だ。幕末期生まれぐらいのケースが多い。4代前ともなれば、現在生きている人間がまず直接会うことはない。その先祖が遠い昔確かに生きていて、実家を飛び出したり、不慮の災難に遭って死んだり、遊び人だったり、エリートであったり、没落した人間であったり、不当に処刑された人物であったりする。奇跡のような男女の出会いもあり得る。

 その高祖父母も誰かの子孫なのだから、今のわれわれも、いずれは玄孫(やしゃご)(孫の孫)にとっての高祖父母になる可能性がある。

 番組に登場する芸能人たちも、150年以上も前の高祖父母の行動が今の自分を決定付けてしまった事実を突き付けられる。その過去は、もはや変更不可能だ。

 未来に影響を与えるという意味では、今を生きているわれわれも子孫に決定的な影響を及ぼしてしまうことはあり得る。何気ない行動の一つ一つが、子孫から見れば重大な選択だったということも考えられるのだ。

 どうやらわれわれは、自分以外の誰かによってつくられた「流れ」の中の一点にすぎないようだ。この番組は、ふとそんなことを思い起こさせる。