東京では晩秋の穏やかな日々が続く中、恒例の…


 東京では晩秋の穏やかな日々が続く中、恒例の「改組 新 第4回日展」が港区の国立新美術館で開催されている。平日の午前中に行ったが、会場は1人で来た人や仲間連れでにぎわっていた。

 彫刻部門で話題になっている作品の一つが、オペラ「カルメン」を題材にした親松英治氏の新作「ホセとカルメン」だ。

 オペラのクライマックス。ホセの愛を拒否して指輪を外し投げ出そうとするカルメンに対し、両手を挙げてその憤りを示すホセ。カルメンの情熱とホセのプライドがぶつかり合う一瞬を切り取った。

 「彫刻の本質は人間のフォルムを映し出すことだが、それにドラマチックな要素が加わればさらに面白い」と親松氏。素材は故郷・新潟県佐渡市産の栃ノ木、技巧的には彫刻に鑿(のみ)の刃の跡を残しながら、2体の調和が美しい。

 激しい感情の衝突を正面から描き切った親松氏は現在84歳。6年前の同展で内閣総理大臣賞を受賞した「春雷」では、躍動感あふれる雄馬の動きを捉え、「作者の感性による独自な様式化は、永年にわたる作者の内実の輝きが加わった秀作」と評された。

 弛(たゆ)まざる創作力はどこから?――「年を取って体力がなくデッサン力が弱くなる人もいます。しかし若い時うんとやった人は年を取ってもデッサンがしっかりして、創造意欲が衰えることはありません」と、ぎょろっとした目でにらまれた。若い時の修練、その積み重ねの大切さを強調している。