神奈川県・座間市のアパートで男女9人の遺体…


 神奈川県・座間市のアパートで男女9人の遺体が発見された事件の被害者の身元が特定された。男性1人を含み、みな十代後半から二十代の若い人たちである。写真を見ると改めて、人生これからという被害者たちの命を奪った容疑者への憤りが沸いてくる。

 容疑者は自殺志願者のツイッターを見て接近し、犯行に及んだ。にもかかわらず事件後もツィッターには、自殺志願者の書き込みが後を絶たないという。インターネット交流サイト(SNS)上の自殺志願者の書き込みは、救済の糸口となる面もあるが、今回は最悪の結果となった。

 政府は関係閣僚会議を開き、年内をめどに再発防止策をとりまとめることを決めた。すぐ実施できる対策は即採用してほしい。

 それにしても自殺まで考えるような悩み苦しみ、心の弱みに付け入る卑劣極まる手口である。気になるのは大阪の池田小学校事件、秋葉原無差別殺傷事件など、過去に起きた凶悪事件の犯人が20代後半から30代の男であったのと同様、容疑者が27歳であること。昔なら男子として一人前と見なされていた年齢である。

 背景として戦後の日本が男子のあるべき姿を喪失したことと無関係ではないように思う。美学を喪失し、精神にぽっかりと空洞ができた状態とでも言おうか。

 SNSの落とし穴、危険性と共に社会や教育の在り方も見詰め直し、防止策を講じることが、9人の犠牲を無駄にしない道である。