全国各地の風物を取り上げる“旅情ミステリー…


 全国各地の風物を取り上げる“旅情ミステリー”で人気の作家・内田康夫さん。推理の妙もさることながら、ご当地物をアピールすることで、作品の累計発行部数は1億部を超える。

 アニメーションを使った観光資源掘り起こしなどを目的に設立された官民連携組織アニメツーリズム協会が、ゆかりのある自治体など88カ所を選び「アニメ聖地88」を発表した。さしずめ“旅情アニメーション”の展開と言えよう。

 同協会は認定した自治体などと連携して複数の聖地を「巡礼」する観光ルートを策定。大ヒット映画「君の名は。」をはじめ、海外でも人気の高い日本アニメで訪日外国人らも呼び込み、町おこしにつなげたいとしている。

 選ばれたアニメ聖地の一つに愛媛県松山市がある。アニメ制作会社の企画による新聞コラム記事「おへんろ。」が原作の漫画作品や紀行番組「おへんろ。~八十八歩記(はちはちあるき)~」によるものだ。紀行番組はアニメと実写をコラボレーションさせている。

 お遍路の四国八十八カ所や道中にあるさまざまな場所を巡るもので、若者たちの感性を前面に出し人気番組に。四国地方を中心に地上波放送された後にインターネットテレビおよび衛星放送へと全国区配信された。

 同協会のアイデアは、アニメブームとご当地贔屓(びいき)をマッチングさせ、町おこしに利用するというもの。政府の地方創生キャンペーンが、いまひとつ盛り上がりを欠く中、「アニメ聖地」が救世主になるか。