終戦記念日は、平和への誓いを新たにする…


 終戦記念日は、平和への誓いを新たにする重要な日である。先の戦争の犠牲者は約310万人に上る。東京の日本武道館で開かれた全国戦没者追悼式には、天皇、皇后両陛下をお迎えし、遺族ら約6000人が集った。

 今年で72回目で、天皇陛下のお言葉を聞くたびに、大戦の歴史的大事件が遠ざかるよりも、むしろ近くなっていくような奇妙な印象を受ける。新たな出来事が報じられ、記憶が更新されるからでもあろう。

 太平洋戦争の激戦地、サイパン島から、元米海兵隊員が日本兵の日章旗を持ち帰り、それを遺族に返還する式典が15日、岐阜県東白川村で行われた(小紙16日付)。この米国人マービン・ストロンボさんは93歳。

 一方、日本兵の弟で日章旗を受け取った安江辰也さんは89歳。ストロンボさんは「時間がかかってしまい、申し訳ない」と語ったが、2人の出会いに七十数年という期間は消え去っていたに違いない。

 日本の植民地だった戦前の台湾には、日本語で台湾文学を探求していた青年たちがいた。その軌跡を追ったドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者」が19日から公開される(小紙15日付)。

 黄亜歴監督によれば、青年たちは日本に留学し、西洋モダニズム文学の影響を受け、前衛的な作風を取り入れて、台湾文学に新境地を開こうとした。その時代、どのようなことが起きていたのか、未知の出来事が明るみに出されることで理解が一層深まるのだ。