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「家畜のブタが逃げて野生化したのがイノシシ」…


 「家畜のブタが逃げて野生化したのがイノシシ」とテレビで若者が語るのを見たことがある。本気か冗談かは忘れたが、「イノシシを飼いならしたのがブタ」という事実がある以上、両者の関係は深く、若者の珍説は全くのデタラメとも言い切れない。

 先月、オオカミが家畜化されてイヌになったのは4万年前との報道に接した。化石のDNAを解析して得られた結論だ。ブタ、ネコなどが飼いならされたのが1万年前ごろだというから、イヌの歴史は相当古い。最古の家畜と言えそうだ。

 そう言えば、イノシシとブタの中間型にはイノブタがいるし、野生のカモとアヒルの中間型のアイガモもいる。アヒルはカモを家畜化したものだ。イノシシの肉はうまいが、イノブタもおいしい。カモもアイガモも美味だ。家畜化が食用として成功した例だ。

 ネコの原型はヤマネコだが、21世紀の今も、同じネコ科なのにライオンやトラは家畜化されていない。家畜に向かない点では、クマ(クマ科)も同様だ。

 こうして見ると、大型の肉食動物は家畜に適さない。飼育する人間が彼らのエサになる恐れがあるからだ。一方、草食動物のウシやウマは人間よりも大きいが、ちゃんと家畜になっている。

 イヌに比べて、ネコが人間に対してそっけないのは、4万年と1万年の差によるものとも考えられるが、動物としての種の特性の方が大きいようだ。いずれにしても、興味の尽きない発見だ。

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