8月初の祝日として11日が「山の日」となった…


 8月初の祝日として11日が「山の日」となったのは昨年からである。海のない栃木県出身の作曲家船村徹氏(故人)が地元紙に「(祝日に)海があんのに山がねえー」と寄稿し、山の日を提唱したことをきっかけに、山岳界や超党派の議員連盟などが働き掛けてきた。

 平成26年の祝日法改正で「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」山の日が加わった。山が対象の祝日は世界で初めてだとか。それだけに「山の日を2級の祝日にしたくない」という発言がある議連の記録からは、実現を目指した熱意も伝わってくる。

 祝日に1級と2級があるとは初耳で興味深いが、永田町界隈(かいわい)では1級は定日、2級は〇月第△月曜日などと定められた祝日をそう呼ぶらしい。だからかどうか、昨年の初回「山の日」記念行事は多彩に行われた。

 第1回山の日全国大会は近代アルピニズム発祥の地である上高地(長野県松本市)で、登山に親しまれる皇太子殿下一家の御臨席のもとに開かれた。ここのビューポイントには今年、大会のキャッチフレーズ「山と共に」を刻んだ記念碑が建立され、除幕式が先月30日に行われている。

 「山」をテーマに公募の歌詞で記念CDが出たのも、その一つ。船村氏の総合プロデュースで北島三郎、鳥羽一郎、加藤登紀子、走裕介の各氏がそれぞれに、山への思いを歌でアピールした。

 山地が国土の4分の3を占める「山国」の日本。まだ駆け出しの休日だが、その定着を望みたい。