「(美容とは)心身共に健全、健康で、姿かたち…


 「(美容とは)心身共に健全、健康で、姿かたちが美しいことです。外面だけでなく、内面の美しさを追求しています」と「赤木式美功術メイク」で知られるメーキャップ・アーティストの赤木麻紀さん。

 いま高齢化が進む中、消費者の間では健康志向の高まりや美意識の多様化などが見られる。美容(化粧)や健康に対する欲求は、さまざまな方向に拡大し、才色兼備の大人の女性「美魔女」がもてはやされている。

 これに応えようと、美容、健康分野の関連業界も活況を呈し、異業種からの参入も著しい。医薬品会社、食品会社はもちろん、ありとあらゆる業種業態の企業が関わっているという。

 例えば、味の素はアミノ酸、サントリーは酵母、江崎グリコはグリコーゲンと、いずれも本業のために研究し活用した成分を前面に押し出してPRしている。サプリメントや化粧品など、健康、美容のための新製品開発に余念がない。

 ある民間調査では、消費者の約4割が「いま、特に買いたいモノはない」という結果が出ている。これは、消費者が必要なモノをほとんど所有しているということでもある。こうした時代に、健康や美容への関心が高まるのは自然な流れだと言える。

 ブームを支えているのは、実は石油精製、石油化学をはじめとする分野の技術革新だ。生体の精緻な機構をうまく取り込んだ新しい高分子の合成とその活用などがある。石油化学は日本の得意分野だ。