トランプ米新大統領は大統領選で「メキシコ…


 トランプ米新大統領は大統領選で「メキシコとの国境に壁を造る」「イスラム教徒の入国禁止」などの政策を打ち出して旋風を巻き起こした。テロや不法移民に対する国民の危機感をあおって支持を集める狙いがあったのだろう。

 トランプ氏ほど派手ではないとしても、こうした政治手法は以前からあった。レーガン米政権の頃に「米国はソ連に戦争を仕掛けようとしている」とのうわさが流れたことがあった。

 ある主婦が信じてしまって、本気で戦争を恐れていた。聞いてみると、現役の東大教授もメンバーの勉強会で、このような話が出ているとのことだった。

 米国が戦争を計画しているとして、当然それは重大な機密であるはずだし、報道を見てもそんなニュースは全くないのに、うわさを流している人物はどこからそんな情報を得たのか?と問いただしても、彼女の見解は変わらなかった。

 同じ頃、文壇で「反核運動」というのがあったが、「核戦争の危機」を訴えるその運動も同じ流れだったのだろう。ちなみに1991年、ソ連は米国との戦争ではなく、自身の事情によって崩壊した。

 政治的意図を持った運動家らが、こうした話を盛んに広めようとしている点では、30年前も現在も同じだ。インターネットその他の通信手段が一層発達するはずの今後も、同じような事態は続くだろう。妙なうわさに流されない程度の力量ぐらいは身に付けておいた方がよさそうだ。