自民党の小泉進次郎農林部会長が都内で講演し…


 自民党の小泉進次郎農林部会長が都内で講演し、「真に農業者のための組織として何ができるのかを自ら考えていただきたい」と、全国農業協同組合連合会(JA全農)に自己改革を迫った。

 「(全農の目的は)農家にモノを売ることではなくて、農家の経営を向上させること」というわけだ。これに対し全農関係者から、農協つぶしだ、という声もあるが、小泉氏の意見は至って常識的なものだ。

 ただし農協の販売の在り方などは、長年続いてきた地域の慣習、人間関係、ルールと相まって、生活の中で常態化している面が小さくない。農業従事者の高齢化の中で、こうした改革がどれほど可能か。

 さらに今、労働力の不足、耕作放棄地の増大など農村を取り巻く課題は山積している。これらを解消する方向への全農の改革となれば、果たしてどこから手を付ければいいのか。

 「農業、林業、漁業ともにすべて地域依存の産業である。地域から離れては成り立たない」(長崎福三著『システムとしての<森-川-海>』)という。これも当たり前の事実で、平成20年前後から農協、森林組合、漁協が事業連携して地域活性化に取り組む所がある。

 例えば、長崎県の野母崎三和漁協・長崎西彼農協では、漁業、農業の各生産者の連携により、地域住民に新鮮な食材を提供。流通改善、生産者所得の向上、生産活性化に邁進(まいしん)し実績を挙げた。学ぶところが多い取り組みだ。