安倍晋三首相がトランプ次期米大統領と会談…


 安倍晋三首相がトランプ次期米大統領と会談した。まずは良いスタートが切れたのではないか。何より大統領選後、トランプ氏が初めて会談する外国首脳となったことが大きい。

 スポーツの試合でも戦争でも、速攻がいいのか、相手の出方を見るべきか、あるいは持久戦がいいのかは、その時々に判断するしかない。今回は安倍首相の速攻が功を奏した。

 ただ、首相としては早く行動する以外になかったように見える。日米同盟や環太平洋連携協定(TPP)など極めて切実な問題がある。さらに大統領選挙戦中、トランプ氏とは会わず、対立候補のクリントン前国務長官と会っていることがある。

 クリントン氏が勝つという判断があったためだろう。ところが、大方の予想に反してトランプ氏が勝利した。トランプ氏勝利が決まった9日、感想を求められた安倍首相の表情が、気のせいか少しこわばった印象を受けた。やはりクリントン氏と会うべきではなかったと思ったのではないか。

 外務省元主任分析官で作家の佐藤優氏がラジオ番組で、大統領選の開票が始まり、トランプ氏優勢が伝えられる中でも、外務省担当者が「クリントンが勝ちます」と言っていたことに、安倍首相が怒りを爆発させたという話をしていた。真偽のほどは確認できないが、ありそうな話である。

 ともあれ、安倍首相とトランプ氏との「友人関係」がスタートしたことを評価したい。