ハンガリーを代表する指揮者ヴァーラディ・…


 ハンガリーを代表する指揮者ヴァーラディ・カタリン女史は、2001年に日本でデビューして以来しばしば来日し、日本オペレッタ協会による公演でタクトを振った。翌年同協会はハンガリーでも公演。

 だが昨年9月、67歳で逝去。この名指揮者との交流を偲(しの)んで、先週、東京の北とぴあ・つつじホールで「ヴァーラディ・カタリン メモリアル・オペレッタコンサート」が開かれた。

 演奏の前に「カリタンさんを語る」というひと時があった。同名誉会長の寺崎裕則さんは、天性の指揮者ぶりを「彼女が指揮棒一閃するやオーケストラの各楽器群が、まるで新しい生命を吹き込まれたかのように奏でる」と絶賛。

 司会を務めたテノールの田代誠さんは「西洋人という感じがしませんでした。ハンガリーの人たちは赤ん坊のとき蒙古斑があると聞いたので、あったんでしょう、と聞くと、うん、と顔を赤くして答えてくれました」と。

 通訳を務めたのは山田裕子さんで、1996年初来日の時に日本オペレッタ協会に案内。以来来日のたびに、成田空港へ出迎え、見送りをし、一緒に食事をしたり、温泉に行ったり、「何でも話し合える裸の付き合い」だった。

 出演はソプラノの家田紀子さんやバリトンの飯田裕之さんなど17人。曲目は「ローベルト・シュトルツの青春」より(ローベルト・シュトルツ作曲)などで、歌手たち一人ひとりが印象に残る思い出を披露した。