東京五輪開催を見据えてのことか、都心に…


 東京五輪開催を見据えてのことか、都心に乗り入れる地下鉄、私鉄沿線市街地の開発が活発化しそうだ。西武ホールディングスは、西武鉄道の主要駅、所沢駅(埼玉県所沢市)周辺の再開発に着手した。

 2018年春以降に駅ビルの大型商業施設などを順次開業。鉄道の通勤利用者は郊外から都心に向かうのが主流だが、郊外の所沢市に通勤するという逆の流れをつくりたいという。

 そのほか開発に名乗りを上げている地域はいくつかあり、その一つが東京の多摩地域南部にある町田市。同市と東急電鉄(東京・渋谷区)は、600億円近くをかけ大型再開発事業に共同で乗り出す。

 渋谷駅につながる東急田園都市線の南町田駅南口周辺を一体的に再整備し、樹木の緑と商業施設、高層住宅が境目なく広がる「新たな街」にする。ベッドタウンの高齢化が加速する中、幅広い世代の交流の拠点にしようという試みだ。

 地下鉄などのネットワークが充実し、人の流れが変わった板橋区でも開発が進む。板橋区を貫く東武東上線と副都心線がつながり、渋谷駅からの東横線と横浜駅からのみなとみらい線がこれに絡み、東武東上線の森林公園駅からみなとみらい線の元町・中華街駅への路線が一本化したからだ。

 開発は大切なことだが、ただし新宿、渋谷、池袋などターミナル駅は今に倍して人であふれ返りそうだ。その対策、特に災害などに対する危機管理の方策策定も急がれる。