生鮮野菜や果物、パン類など生活必需用品が…


 生鮮野菜や果物、パン類など生活必需用品が総じて高唱えだ。キャベツやレタスは1玉248円、きゅうりが4本200円、イチゴ1パック400円、街のスーパーを覗(のぞ)くとこんな具合。

 アベノミクスで景況感は改善しているが、デフレを脱却したわけではないので不安だ。中国ほか新興経済勢力各国での需要増が重なり、食料品の需給は世界的規模で引き締まっている。円安もあって穀物や原油などの高騰も続いている。

 これではタクシーやバスなどの運賃も、圏外に立ち得ないのではないか。といって、庶民に有力な対抗策などあろうはずがない。

 政府は「仕方がない」で済まさず、消費者の動向を見据えたきめ細かい行政を目指せないか。例えば、非常に好まれている台湾製の枝豆と甘いバナナ。これらは他国からの同じ輸入品に比べて掛けられる関税が高く、市場になかなか出回らない。

 また一般に検疫について日本はその基準が厳しく信頼性が高いが、最新の食品衛生の研究成果や検疫技術を取り入れれば、輸入品の種類はもっと増やせる可能性がある。

 あるいは食品の安全基準の制定の在り方とその適用までの期間についても一考すべきだ。国際的には制定から約3カ月間の周知期間があるが、日本はこの期間が短い。当該地の生産農家や業者、政府が対応できず、輸入を持続できない場合がある。これも消費者にはありがたくない話だ。