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朝日新聞は先月5日に渡辺雅隆社長が行った…


 朝日新聞は先月5日に渡辺雅隆社長が行った記者会見と「信頼回復と再生のための行動計画」公表で、社の存亡にかかわる信頼失墜を招いた慰安婦虚報など一連の報道不祥事のケリをつけたかった。誰よりも幕引きを望んだのは当の朝日である。

 ところが、そうは問屋が卸さない、と問題を蒸し返したのは、朝日問題を厳しく追及するメディアや人士ではなかった。朝日が取り消した18本の「吉田証言」記事とは別に、杜撰な問題記事と指弾されてきた1991年8月の「元慰安婦、初の証言」を書いた元朝日記者の植村隆氏だった。

 杜撰記事批判も、どこ吹く風。記事で「“慰安婦捏造”記者」と書いた週刊誌発行元の文藝春秋などを相手取って、名誉毀損だとして損害賠償を求める提訴をしたから開いた口が塞がらない。

 すると、今度は朝日が取り消した、もう一つの誤報記事「所長命令に違反、原発撤退」(昨年5月20日付)が新聞労連のジャーナリズム大賞特別賞に選ばれ、先月28日の授賞式で、記事を書いた2人の記者がしっかり受賞したという。

 選ぶ方も選ぶ方なら、受ける方も受ける方とただ呆れるほかない。どうやら2人の記者には、反省して辞退する選択は初めから頭になかったようである。

 同賞に権威があるのかないのか分からないが、あるとすれば失墜したに違いない。出直し朝日も親の心子知らずの記者の行状に頭痛が続く。