東京・JR渋谷駅周辺のデパートなど商業…


 東京・JR渋谷駅周辺のデパートなど商業施設が立ち並ぶ路上を、アジア人だけでなく、欧米人の若いカップルが闊歩(かっぽ)しているのが目につく。5年ほど前まで渋谷の職場にいたが、その時の街の空気との違いを感じる。

 今、渋谷駅周辺は渋谷ヒカリエの開業を機に再開発の街と、ひとくくりにされることが多い。しかし、海外からの訪問者もそぞろ歩きを楽しめる街といった切り口でも分析できるのではないか。

 日本を観光などで訪れる米国人が増え、今年は9年ぶりに過去最多を更新する勢いだ。日本政府観光局(JNTO)によると、今年6月の訪日米国人数は8万7900人で、単月として過去最多を記録。年間でも過去最多だった2005年の82万2000人を上回りそうだ。

 渋谷の光景がその数字の反映かどうか分からない。しかし20年の東京五輪開催も決まり、海外の人たちから東洋の国・日本が新たに注目を浴びているのは間違いなさそうだ。

 また円安で割安感があるほか「SAKE」や「ANIME」など日本文化への関心の高まりも後押ししている。日本での滞在や街並みを楽しみたいという外国人の増加を期待したい。

 ニューヨークの街ではさまざまな国の旅行者が行き交う。衣装や立ち振る舞いも個性的で、その場に居ながら世界を見る気がする。彼らを受け入れる懐の深い都市文化は今後、わが国の大都市が目指すところだ。