「関東甲信は雲が多く、昼前から雨や雷雨。…


 「関東甲信は雲が多く、昼前から雨や雷雨。局地的な激しい雨や落雷、突風などに注意」。24日付小紙に載った天気予報の一節。「上空を寒気を伴った気圧の谷が通過する」と概況を伝えていた。

 東京都三鷹市や調布市ではその日の午後2時半ごろ、雨に加えてひょうが降り始め、雷がとどろき、突風も吹いて、ちょっと怖いような天気となった。私事になるが、その頃三鷹市北野で雨宿りしていた。

 ひょうは2㌢ぐらいの丸いもので、草木に衝突すると葉をちぎっていった。小紙25日付1面で調布市仙川町での様子が写真で紹介されたが、緑色の葉っぱがおびただしく降り積もったひょうに交じっている。

 この葉っぱが、道路の排水口を詰まらせたため、雨水は流れるところがなく、目の前の道はプール状になった。草木も無残な状態になったのを見て、農家の人々がひょうの被害を恐れる気持ちがよく分かった。

 ひょうは積乱雲の中で、上昇気流と下降気流により上下運動を繰り返し、水の粒を付着させながら大きくなっていく。重さに耐えられなくなって落ちてくるのだが、直径1㌢で時速50㌔になるという。

 雷は積乱雲の上部がプラス、下部はマイナスに帯電して、地表はプラスになって起きる。このとき雲頂の温度はマイナス20度(『気象・天気のしくみ』新星出版社)。ひょうは夕暮れになっても解けなかった。冷蔵庫で作る氷より冷たかったのだ。